脳症１１：まんまんがいち [脳症]
６月２日：脳血流低下期（第１３病日）
「まんまんがいち のことを考え入院しましょう」
ちびはにぃ がけいれんを起こして最初に行った総合病院では医師にも丁寧に対応していただき、看護士の方々も皆優しく、大変ありがたく思っている。
特に「ただの熱性けいれん ではない」と判断した後の専門病院への搬送のスムーズさは感服している。あの判断が無かったら ちびはにぃ の今の回復は無かったかもしれない。
それをふまえた上で、１つ気になることがあった。担当医師に言われた
まんまんがいち
だ。語感が面白かったので覚えているのだと思う。
まぁ素直に「熱性けいれんでない可能性はすごく低いですよ」というのを口癖か、あるいは親である僕らを心配させないようにか、このような表現になったのだと思うのだが、あえて本当に ちびはにぃ が熱性けいれんでないのは「まんまんがいち」だったのか考えてみたい。
「まんまんがいち」が１万分の１のさらに１万分の１ということは無いと思うので、ここは１万分の１よりも低い確率ですよということにしておく。
国立社会保障・人口問題研究所によればここ最近の日本の出生数はおよそ110万人である。
また、国立感染症研究所によれば急性脳炎は2004～2007年の間に690例報告され、うち１歳児の合計は78例だ。１年間あたり、20例といったところ。
つまり、軽快した例を含めて
日本の１歳児が１年間に脳炎にかかる確率は5.5万分の１。
まさに「まんまんがいち」だ
また、感染症発生動向調査によれば１年間に報告されたインフルエンザ脳症は50例、厚生科学研究インフルエンザ脳症研究班によるアンケート調査によると年間100～ 300例で、うち脳症におけるインフルエンザの割合は１／４程度である。他に脳症の８割が10歳以下で起こるとの報告がある。
一方で、川崎市の公私立の保育園で行われた大規模なアンケート調査の結果から、熱性けいれんは１割弱（6.6 ~ 9.3 %）の子が経験すると思われる。
インフルエンザ脳症研究班のアンケートは若干古いのでいわゆるライ症候群を含んでいると思われるが、現在脳症の重症化（ライ症候群）の原因と考えられている非ステロイド性消炎剤（NSAIDs）は小児への使用は禁忌となっているのでざくっと計算して、
熱性けいれん が疑われた500人のうち1人が脳症を発症している。
で大きく外れていないと思う。
また、川崎市のアンケート調査によると、２つ以上の因子をもつ複雑型発作の割合は 熱性けいれんで13%、髄膜炎、脳症などの中枢神経系の疾患では60%であった。
これらすべてを加味して考えると、
あのとき ちびはにぃ が脳症である可能性は1%弱
その他の中枢神経系の疾患も含めると１割弱の可能性
であったと思う。
脳症の場合ステロイドパルス治療は早ければ早いほど予後がよく、髄膜炎でもステロイドが使われることを考えると、
「おとうさん、おかあさん、 ちびはにぃ ちゃんは99%、悪くても９割方は ただの熱性けいれんです」
ただし、100分の1から1000分の1の確率で脳症にかかっている可能性があります。
脳症の場合は早期のステロイドパルスが有効であると報告がありますが、副作用が無い訳ではありません。どうされますか？
と言われたらどうしただろう。
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この日の ちびはにぃ はさらに動きが悪くなり、右手は棒のようにまっすぐのまま曲がらなくなった。
手のひらも開いたまま閉じることができない。
だが医師からは、「今が一番症状が悪く、この状態より悪くなることはまずない」と言われた。
声もほとんどあげないし、
笑わない、
でもサングラスを顔から取るときはうれしそうだし、
僕のことも、はにぃ のこともわかっている。
何より命が助かった。
「まんまんがいち」だろうが、「100分の１」だろうが、 ちびはにぃ が いま脳症なのは変わらない。
もうすぐ点滴も外れそうだ。
ちびはにぃ
ここからは良くなる一方だ。
【投薬その他】
抗ヘルペス剤（ビクロックス）
抗てんかん薬（ハイセレニン）
輸液（ソルデム３A）
経腸栄養剤（ラコール）
＊注：投薬の記録はメモが完全ではないのであくまで参考程度です。
【検査】
なし
「まんまんがいち のことを考え入院しましょう」
ちびはにぃ がけいれんを起こして最初に行った総合病院では医師にも丁寧に対応していただき、看護士の方々も皆優しく、大変ありがたく思っている。
特に「ただの熱性けいれん ではない」と判断した後の専門病院への搬送のスムーズさは感服している。あの判断が無かったら ちびはにぃ の今の回復は無かったかもしれない。
それをふまえた上で、１つ気になることがあった。担当医師に言われた
まんまんがいち
だ。語感が面白かったので覚えているのだと思う。
まぁ素直に「熱性けいれんでない可能性はすごく低いですよ」というのを口癖か、あるいは親である僕らを心配させないようにか、このような表現になったのだと思うのだが、あえて本当に ちびはにぃ が熱性けいれんでないのは「まんまんがいち」だったのか考えてみたい。
「まんまんがいち」が１万分の１のさらに１万分の１ということは無いと思うので、ここは１万分の１よりも低い確率ですよということにしておく。
国立社会保障・人口問題研究所によればここ最近の日本の出生数はおよそ110万人である。
また、国立感染症研究所によれば急性脳炎は2004～2007年の間に690例報告され、うち１歳児の合計は78例だ。１年間あたり、20例といったところ。
つまり、軽快した例を含めて
日本の１歳児が１年間に脳炎にかかる確率は5.5万分の１。
まさに「まんまんがいち」だ
また、感染症発生動向調査によれば１年間に報告されたインフルエンザ脳症は50例、厚生科学研究インフルエンザ脳症研究班によるアンケート調査によると年間100～ 300例で、うち脳症におけるインフルエンザの割合は１／４程度である。他に脳症の８割が10歳以下で起こるとの報告がある。
一方で、川崎市の公私立の保育園で行われた大規模なアンケート調査の結果から、熱性けいれんは１割弱（6.6 ~ 9.3 %）の子が経験すると思われる。
インフルエンザ脳症研究班のアンケートは若干古いのでいわゆるライ症候群を含んでいると思われるが、現在脳症の重症化（ライ症候群）の原因と考えられている非ステロイド性消炎剤（NSAIDs）は小児への使用は禁忌となっているのでざくっと計算して、
熱性けいれん が疑われた500人のうち1人が脳症を発症している。
で大きく外れていないと思う。
また、川崎市のアンケート調査によると、２つ以上の因子をもつ複雑型発作の割合は 熱性けいれんで13%、髄膜炎、脳症などの中枢神経系の疾患では60%であった。
これらすべてを加味して考えると、
あのとき ちびはにぃ が脳症である可能性は1%弱
その他の中枢神経系の疾患も含めると１割弱の可能性
であったと思う。
脳症の場合ステロイドパルス治療は早ければ早いほど予後がよく、髄膜炎でもステロイドが使われることを考えると、
「おとうさん、おかあさん、 ちびはにぃ ちゃんは99%、悪くても９割方は ただの熱性けいれんです」
ただし、100分の1から1000分の1の確率で脳症にかかっている可能性があります。
脳症の場合は早期のステロイドパルスが有効であると報告がありますが、副作用が無い訳ではありません。どうされますか？
と言われたらどうしただろう。
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この日の ちびはにぃ はさらに動きが悪くなり、右手は棒のようにまっすぐのまま曲がらなくなった。
手のひらも開いたまま閉じることができない。
だが医師からは、「今が一番症状が悪く、この状態より悪くなることはまずない」と言われた。
声もほとんどあげないし、
笑わない、
でもサングラスを顔から取るときはうれしそうだし、
僕のことも、はにぃ のこともわかっている。
何より命が助かった。
「まんまんがいち」だろうが、「100分の１」だろうが、 ちびはにぃ が いま脳症なのは変わらない。
もうすぐ点滴も外れそうだ。
ちびはにぃ
ここからは良くなる一方だ。
【投薬その他】
抗ヘルペス剤（ビクロックス）
抗てんかん薬（ハイセレニン）
輸液（ソルデム３A）
経腸栄養剤（ラコール）
＊注：投薬の記録はメモが完全ではないのであくまで参考程度です。
【検査】
なし
あんまんまん ヽ( ´ー｀)ノ
by はにぃ (2009-07-08 21:36)
777nice!踏んだヽ( ´ー｀)ノ
↑
ソコか Σ(￣ロ￣lll)
by うらなみ (2009-07-08 21:46)
はじめまして。
奥様からこちらのblogを教えていただきました。
我が家は急性脳炎を発症した690例（2004年166例）のうちの1件です。
この統計を見ると不思議な感覚に陥ります。
インフルエンザ脳症研究班のガイドラインのお手伝いもさせていただきました。
インフルエンザ以外の急性脳症は今でも解明されていないことだらけです。
時間が多少かかったとしても
ちびはにぃちゃんが元の元気なお嬢さんにご回復されることを
心からお祈りしています。
がんばれ！
by leaf (2009-07-09 01:17)
>leaf さん
はじめまして、ちびはにぃ は なんとか命に別状はないことがわかりました。
後遺症に関してはこれからです。
でも笑って過ごしていこうと思ってます。
leafさんのblog は何度も読んでます。これからも何度も読むでしょう。
by カオナシ (2009-07-10 22:49)